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我々は、オフィス開発に関する検討の中で一つの非現実的な仮定をした。不動産アドバイザーは、オフィスビルの将来の価値について確実なことは言えない。42万ドルは最善の予測を表すが、確実なものではない。 もし、ビルの将来の価値にリスクがあるのであれば、我々のNPVの計算は間違っている。投資家は、40万ドル相当の米国債を買うことによって42万ドルを確実に得ることができるだろう。したがって、彼らはあなたのビルをその金額では買わないだろう。投資家の関心を引き付けるためには、言い値を下げる必要があるだろう。 ここで、我々は、2番目の基本的なファイナンスの原則に拠ることができる。すなわち、安全なドルはリスクのあるドルより価値がある、ということである。たいていの投資家は、収益を犠牲にしないで避けられるリスクについてはこれを避ける。しかしながら、現在価値や資本の機会費用の概念は、リスクのある投資に関しても意味がある。同等の投資が提供する収益率でペイオフを割り引くことが、依然として必要である。ただし、ここでは、他の投資の期待ペイオフと期待収益率を考えなければならない。 すべての投資が等しいリスクを有するわけではない。オフィス開発は、国債への投資よりはリスクが大きいが、新規開業のバイオテクノロジー・ベンチャーよりはリスクが小さい。このプロジェクトは株式市場への投資と同じくらいのリスクがあると信じ、株式市場への投資は12%の収益を生むと予測されていると考えてみよう。このときには、12%が資本の機会費用となる。それは、等しいリスクを有する証券に投資しないことによって、あなたが断念するものである。NPVを再計算してみよう。 現在価値(PV)=42/1.12=37.5万ドル 純現在価値(NPV)=PV-37=0.5万ドル オフィスビルは、依然として価値に対して正味の寄与をもたらすが、富の増加は、オフィスビルの将来価値にはリスクがないとした最初の計算よりは小さくなる。 したがって、オフィスビルの価値は、キャッシュフローのタイミングとその不確実性に依存する。42万ドルのペイオフが直ちに実現できるのであれば、まさしくそれだけの価値を持つ。また、そのオフィスビルが国債と同じくらいリスクのないものであるなら、1年の遅れは価値を2万ドル下げ、40万ドルになる。ビルに株式市場への投資と同じくらいのリスクがあれば、不確実性がさらに2万5000ドル価値を下げ、37万5000ドルとなる。 もし、他の投資家があなたの42万ドルというペイオフの予測とそのリスクについての評価に同意するなら、あなたの不動産は、建設が始まれば37万5000ドルの価値を持つはずである。それより高く売ろうとしたら、建設が始まれば37万5000ドルの価値を持つはずである。それより高く売ろうとしたら、買い手がないだろう。なぜなら、その不動産は株式市場で得られる12%よりも低い期待収益率しか提供しなくなってしまうからである。 残念ながら、資産価値をタイミングと不確実性の両方のために調整することは、我々の例が示唆するより複雑なことが多い。そこで、2つの効果を分けて取り上げよう。このため、すべてのキャッシュフローが確実に知られているが如く扱うか、または、リスクがどのように定義されるか図られるかを心配することなしに期待キャッシュフローや期待収益率について論ずることとする。その後、金融市場がどのようにリスクを扱うかを理解するという問題を検討する。
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